Society 5.0 オンラインイベント開催 - スマート農業から持続可能な社会へ

令和4年3月23日
野口教授による基調講演
松島大使による開会挨拶
 3月17日、在スロベニア日本国大使館は、Society 5.0開発イニシアチブに関するウェブイベントを開催しました。スロベニア共和国農林・食品省、スロベニア日本ビジネスカウンシル、AV Living Lab社と共催し、スロベニア、日本、その他数カ国から約200名の方々に参加いただきました。
 イベントでは、Society 5.0の実現と密接に関係するスマート農業に焦点を当て、基調講演として、北海道大学大学院農学研究院の野口伸教授が、ビッグデータや5G技術を活用した、ロボットトラクター、野菜収穫ロボット、果樹栽培ロボットといった農業用ロボット分野での研究開発プロジェクトの成果について、事例を交えて紹介しました。また、現在の開発状況は、人間が付き添う必要がなく、複数の圃場にわたって自動で連続して作業が可能な段階(レベル3)への移行途中であると説明しました。
 続いて、日本の農業が抱える課題は農業労働力の減少と就農者の高齢化であると指摘した上で、農業用ロボットを基盤としたスマート農業は、労働力不足を穴埋めし、農業の工程の大部分を自動化し、さらに時間や曜日を問わない作業を可能にすることで、そのような課題を解決すると述べました。特に、多目的の小型農業用ロボットが、大型重機に代わり、規模のいかんに関わらず、目的に合わせて自律的に稼働することで、より柔軟かつ効率的な作業を可能にすると指摘しました。複数の農家でのシェアリングも可能です。小型農業用ロボットは、軽量ゆえに土壌に負担をかけず、ぬかるんだ圃場でも作業が可能なことから、持続可能な開発目標への貢献や気候変動への対応も期待できるとのことです。
 開会に際しては松島大使が挨拶し、日本とスロベニアのさらなる理解促進と、Society 5.0への具体的な取組への期待を述べました。また、日本とスロベニアが農業分野で共通の課題に直面する中、持続的かつ安定的な食料供給を可能にするために、日本は、技術革新により生産性の向上と労働負担の軽減を実現することを目指していると指摘しました。
 録画はこちらから視聴できます。society2022.avll.si
ポドゴルシェク・スロベニア共和国農林・食料大臣による挨拶
ペトリッチ駐日スロベニア共和国大使による挨拶 ポドゴルシェク・スロベニア共和国農林・食料大臣による挨拶
コウシュツァ・スロベニア共和国国民評議会議長による挨拶